薬害オンブズパースン会議

薬害オンブズパースン会議のブログです。

【注目情報】患者はがん治療の意思決定に必要なすべての情報を得ているか?

原文 Communicating the benefits and harms of anticancer drugs Are patients getting all the Information they need? (抗がん剤の効用と害を伝える-患者は必要な情報の全てを得ているか?) Editorials. Timothy Feeney et al (London, UK) BMJ. 2023; 38…

【注目情報】COVID-19 メッセンジャーRNAワクチン接種後の心筋炎患者で血中循環スパイクタンパクを検出

原文 Circulating spike protein detected in post-COVID-19 mRNA vaccine myocarditis (COVID-19 メッセンジャーRNAワクチン接種後の心筋炎患者で検出された血中循環スパイクタンパク) Circulation (Original research article) 2023; 147: 00-00. DOI: 10.…

【注目情報】WHO 財団と利益相反―新しい基金は廃止して、プライベート・セクターから寄付金を受け取る際のWHOのポリシーを強化すべき

原文 Binagwaho A and Mathewos K (University of Global Health Equity, Rwanda) EDITORIALS BMJ 2023; 380: p392 doi: 10. 1136/bmj.p392 Published: 20 February 2023 要旨 WHOは、2022-23年の2年間で6億6,000万ドル以上の資金不足に直面する。WHOの予算…

【注目情報】アルツハイマー型認知症治療薬レカネマブ 新しい臨床試験の結果は、患者や介護者にとって喜ばしいものではない

原文 Lecanemab for Alzheimer’s disease (アルツハイマー病に対するレカネマブ) Walsh S ( University of Cambridge ) et al. BMJ 2022; 379: o3010 Published 19 December 2022. 要旨 アルツハイマー病に対する最新の抗アミロイド薬であるレカネマブの第Ⅲ…

【注目情報】米国FDAが承認し他国で使用または保険償還が推奨されなかった医薬品の評価

原文 Assessment of FDA-approved drugs not recommended for use or reimbursement in other 24 countries, 2017-2020 2017-2020年にFDA承認されたが他国24カ国で使用または償還が推奨されていない医薬品に関する評価 JAMA Intern Med 2023; 27 doi: 10.100…

HPVワクチンを推奨する人たちの不適切な情報提供、その後

2023年4月から、9価HPVワクチン「シルガード9」の定期接種が開始されてしまいました。当会議は、従来より定期接種とされてきた「サーバリックス」及び「ガーダシル」を上回る頻度で副反応が報告されているシルガード9の定期接種化に反対してきましたが、少な…

【注目情報】イタリアサンシャイン法が製薬企業などに広範な情報公開義務を課す

原文 Disposizioni in materia di trasparenza dei rapporti tra le imprese produttrici, i soggetti che operano nel settore della salute e le organizzazioni sanitarie ( 保健分野の生産者企業、関係者、保健機関の間での関係の透明性に関する規定 ) G…

【注目情報】WHO の必須医薬品 (Essential Medicines) リストの改革~必須だが入手可能性に問題のある医薬品をどう扱うか

原文 Reforming the World Health Organization’s Essential Medicines List、Essential but Unaffordable (世界保健機関(WHO)の必須医薬品リストの改革、必須だが手ごろな価格ではない) JAMA Published online 2022年10月24日 https://jamanetwork.com/jo…

HPVワクチンの有効性について新潟大学が不適切なプレスリリースを発表

新潟大学の榎本隆之特任教授らによる「HPVワクチンの有効性と安全性の評価のための大規模疫学研究」(NIIGATA study)の新しい報告が2022年9月に論文化され(※1)新潟大学はそのことを2022年9月12日付プレスリリースで紹介しました。そのタイトルは 「H…

【注目情報】世界医師会の「医の国際倫理綱領」最新版がまとめあげられた

原文 The international code of medical ethics of World Medical Association (世界医師会の「医の国際倫理綱領」) JAMA Published online October 13, 2022 (フリーオープンアクセス) https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2797507 JAMA. 2…

【注目情報】がんと迅速承認: FDAが シングルアーム試験(Single-Arm Trials )に断固たる処置をとる、難治性疾患に焦点

原文 Cancer and Accelerated Approval: FDA to crack down on Sigle-Arm Trials, Refractory Disease Focus;Pink Sheet 2022年6月10日 (がんと承認の加速: FDA は単群治験を取り締まり、難治性疾患に焦点を当てる) 要旨 米国食品医薬品局(FDA)の腫瘍学…

【注目情報】メタ解析の結果、臨床試験の3割が早期中止され、結果の2割が発表されていなかった

原文 Nonregistration, discontinuation, and nonpublication of randomized trials: A repeated metaresearch analysis(ランダム化試験の非登録、中断、非出版: 繰り返し行ったメタ研究分析) https://journals.plos.org/plosmedicine/article?id=10.1371/…

【注目情報】革新的医薬品イニシアティブ(IMI): ビッグファーマを利する官民パートナーシップが実態

原文 The Innovative Medicines Initiative: a European public-private partnership that mostly benefits Big Pharma" Prescrire International 2022; 31 (236): 108-111. https://english.prescrire.org/en/81/168/64268/0/NewsDetails.aspx 要旨 欧州委…

【注目情報】英国が医療・福祉分野のすべての研究での患者と市民の利益を守る透明性強化手段を示す ―EU も用いる手段は異なるが同様の透明性強化に動く

英国は、スポンサーが試験の透明性の期待にどのように取り組んでいるかを明らかにする Pink Sheet 2021年12月7日 UK To Reveal How Sponsors Are Performing On Trial Transparency Expectations Pink Sheet NEWS, 07 Dec 2021 要旨 英国保健研究庁 (HRA、※…

【注目情報】「登録された医薬品承認」を導入すべき

原文 An open science pathway for drug marketing authorization—Registered drug approval. PLoS Med 18(8): e1003726. https://doi.org/10.1371/journal.pmed.1003726 Published: August 9, 2021 要旨 「登録された医薬品レポート」のシステムでは、デー…

【注目情報】子宮頸がんの予防(子宮頸がんになる前の早期発見)は自己採取サンプルで可能

原文1 Cervical screening in Wales extended to every 5 years: Why the switch? Cancer Research UK: Cancer News January 7, 2022 https://news.cancerresearchuk.org/2022/01/07/cervical-screening-in-wales-extended-to-every-5-years-why-the-switch…

【注目情報】COVID-19ワクチンの生データはすぐに公開されるべき

原文 Covid-19 vaccines and treatments: we must have raw data, now BMJ 2022;376:o102 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.o102 (Published 19 January 2022) 要旨 10年前の新型インフルエンザによるパンデミックの失敗が今まさに繰り返されている。 ファ…

「観察研究」として行われたアビガンの危険で野放図な使用がようやく終了へ!

薬害オンブズパースン会議がこれまで3回にわたって意見書を公表して[1][2][3]、中止等を求めてきたアビガンの「観察研究」について、2021年末、厚生労働省が、ようやくアビガンの提供を終了する旨の発表をしました[4]。 インフルでもコロナでも有効性の証明…

HPVワクチン「がん87%減」は誇大な宣伝

HPVワクチン「がん87%減」は誇大な宣伝 HPVワクチンのがん予防効果について、最近、新聞やテレビなどが、ランセットに掲載されたFalcaroらの論文を引用して「英国の大規模疫学研究で、12-13歳でHPVワクチンを接種した人の子宮頸がんが87%減少した」と報じ…

薬機法違反が疑われる「みんパピ!」全面広告の誇大な表現

2021年4月9日、朝日新聞朝刊に奇抜なデザインの全面広告が載りました。産婦人科医や小児科医らで作る一般社団法人「HPVについての情報を広く発信する会」(通称「みんパピ!」)が広告主です。 もう「知らなかった」という理由で、死なないでほしい。 とい…

東京小児科医会、 東京産婦人科医会、東京都医師会作成のHPVワクチンリーフレットに重大な誤り~事実に基づく議論を

東京小児科医会と東京産婦人科医会のHPVワクチンリーフレットの重大な誤り 「毎年約3000人の若い女性が命を失っている」は明らかな間違い 40歳未満の死亡数は137人、50歳未満でみても555人 誤認に基づく発言を流したままのメディア リーフレットの回収と訂正…

行政罰でも反対です~感染症法改正問題

2021年1月26日、薬害オンブズパースン会議は、今国会に上程された、罰則をもって入院等を強制する感染症法改正法案に反対する意見を表明しました。 www.yakugai.gr.jp その後自民党と立憲民主党が刑事罰の撤回で合意したという報道がありましたが、行政罰で…

HPVワクチン『勧奨中止で死亡4000人増』のからくり-非現実的な仮定による水増し推計

「死亡増加4000人」と各紙は報じたが・・・ 2020年10月22日、日本経済新聞電子版に、「勧奨中止で死亡4000人増か 子宮頸がん予防ワクチン」という見出しで、「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの積極的な接種勧奨を厚生労働省が中止し接種率が激減した…

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンに関する意見書

薬害オンブズパースン会議は、本年10月6日付で、田村憲久厚生労働大臣宛てに、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンに関する意見書」を提出しています。 全文は、下記からご覧下さい。 www.yakugai.gr.jp

日本学術会議の推薦委員の任命拒否に対する声明を公表しました。

薬害オンブズパースン会議は、2020年10月27日に、声明「内閣総理大臣による日本学術会議の推薦委員の任命拒否に抗議します」を公表しました。 詳しくは、薬害オンブズパースン会議のホームページ上の下記記事からご覧下さい。 www.yakugai.gr.jp

新潟大学グループの最新研究は、子宮頸がんの原因となるハイリスクHPV全体の感染率がワクチン接種世代で減少していないことを示している

16型と18型の感染が減っても、ハイリスクHPV全体は減少しなかった 厚生労働省がこのほど改訂したHPVワクチンについての新しいリーフレットでは、「ワクチンの効果」という項目に「HPVの中には子宮けいがんをおこしやすい種類のものがあります。HPVワクチンは…

アビガンの新型コロナ治験のデータをどう見るか

富士フイルム富山化学の2020年9月23日の発表によると、同社の抗インフルエンザウイルス薬のアビガンについて、新型コロナウイルス感染症治療薬としての治験が終わり、効果が確認されたとして10月中には承認申請が行われる見込みだということです。 治験とは…

骨粗鬆症治療の新薬イベニティで副作用死亡報告が多発

市販直後調査で16人の死亡報告 画期的な骨粗鬆症治療薬という触れ込みで、去年(2019年)3月に世界に先駆けて日本で販売開始されたイベニティ(一般名:ロモソズマブ)という新薬があります。 このイベニティの市販直後調査の結果、発売後わずか半年間で重篤…

抗インフルエンザ薬による副作用死が急増-新薬ゾフルーザの安全性に重大な懸念

薬害オンブズパースン会議は、2020年1月21日付で、ゾフルーザの承認取り消しと先駆け審査指定制度の見直しを求める再要望書を、厚生労働省と製造販売業者(塩野義製薬)に送付しました。 抗インフルエンザ薬の副作用による死者は全国で55人に 厚生労働省がま…

日本産科婦人科学会によるアンフェアな印象操作 ~若年層の子宮頸がんによる死亡者数は増加していません

この記事のまとめ 日本産科婦人科学会が、菅義偉内閣官房長官に対してHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の接種の積極的勧奨を求める要望書を提出した。 要望書と資料では子宮頸がんによる若年層の死亡者数の増加が強調されているが、なぜか資料とされたグラ…