原文
Covid-19 vaccines and treatments: we must have raw data, now
BMJ 2022;376:o102
doi: https://doi.org/10.1136/bmj.o102 (Published 19 January 2022)
要旨
10年前の新型インフルエンザによるパンデミックの失敗が今まさに繰り返されている。
ファイザー社は、COVID-19ワクチン臨床試験データの開示要求に2025年5月まで応じないとしている(※1)。
また、モデルナ社とアストラゼネカ社も、応じる姿勢は示すものの時間がかかるとしている。レムデシビルなど治療薬に関するデータも見つけるのは困難だ。
FDAなど規制当局も開示に消極的である。規制当局が臨床試験データをより積極的に公開していたら、各国はワクチンの効果についてより早く認識し、より適切に計画を立てることができたはずなのだ。
製薬会社は、自らの主張する科学的根拠に対する十分なチェックを受けないまま莫大な利益を得ている。公共の利益のため、すべての研究に関するデータの透明性を強く求める。
当会議コメント
パンデミックだからといって安全性・有効性を証明するためのグッドプラクティスを全面的に免除するようなことは適切でない。
COVID-19ワクチンは臨床試験が終了していない状況で特例承認され、2回目の接種後の“ブレークスルー”感染、中和抗体価の低下が明らかになり3回目接種(ブースター接種)が推奨されている。
そもそも感染を防ぐ効果は確認されていないのだから、抗体価をあげておく必要性の根拠は何なのだろう。
発症予防、重症化予防がねらいであれば、感染時に中和抗体が誘導されればよいのではないか。変異株への効果も明らかでないなか、4回目接種までもささやかれている。なぜ、有効性の根拠を見直さないのか。独立機関または研究者によるデータの精査が望まれる。
ラブゲリオ特例承認後の死亡例についての情報提供を求めたところ、詳細は教えられないと拒絶された。異常な事態と言わざるをえない。(N)
参考文献等
※1 2022年3月1日FDAに提出された臨床試験データファイルの一部(55,000ページ)が裁判所の命令により公開された。
https://www.fda.gov/media/155936/download