薬害オンブズパースン会議

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【注目情報】子宮頸がんの予防(子宮頸がんになる前の早期発見)は自己採取サンプルで可能

原文1

Cervical screening in Wales extended to every 5 years: Why the switch?

Cancer Research UK: Cancer News January 7, 2022

https://news.cancerresearchuk.org/2022/01/07/cervical-screening-in-wales-extended-to-every-5-years-why-the-switch/ 

要旨

 医師が子宮頸部の細胞を採取しその形態異常の有無で診断する従来の細胞診から、膣内のヒトパピローマウイルス-DNA (HPV-DNA)の有無で子宮頸がん罹患の可能性を診断する方法への移行により、子宮頸がん検診間隔を5年に伸ばすことが可能である。

原文2

Worldwide use of HPV self-sampling for cervical cancer screening

B. Serrano, et al. Preventive Medicine, Volume 154, 2022, 106900, ISSN 0091-7435,

https://doi.org/10.1016/j.ypmed.2021.106900.

要旨

 HPV-DNAの一次スクリーニングにおいて、医師による採取に代わる自己採取の有効性を支持するエビデンスが表された。

当会議コメント

 膣内のHPV-DNA有無の診断は、従来の細胞診以上の検診精度があり、したがって検診間隔を伸ばすことが可能とのコンセンサスが固まってきている。また、自分で採取したものと医師が採取したものとでは、その診断の精度に違いがないことも判ってきたことより、今後の我が国の子宮頸がん検診も大きく様変わりする可能性がある。

 我が国の子宮頸がん検診受診率は他の先進諸国と比較し低率(42%)であるため、HPVワクチン接種を推進すべきだとの意見がある一方、HPVワクチンの深刻な副反応被害が生じていることから、最良の道を探る必要がある。

 検診率の伸び悩みは、検診を受ける際の恥ずかしさや時間的制約によるところが大きいと思われる。もし、自己採取検体でのHPV-DNAが陽性となった場合、従来の細胞診を受けることになることから自ずと子宮頸がん受診率は上り、子宮頸がんの早期発見・早期治療の機会へとつながることになる。

 なお、欧米では、膣内HPV-DNA検査用の自己採取キットが既に市販されている(※1)。(U)

参考文献等

※1 Evalyn Brush

https://www.roversmedicaldevices.com/wp-content/uploads/2016/07/ROVER0175_FOLDER-EVALYN-GEBRUIKSAANWIJZING-EN_S3_V3.pdf